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東京メトロと都営、なぜ共存? 東京都心を走る地下鉄、一元化はあるのか

2019/05/15 07:12:10 | 時事ニュース | コメント:0件

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東京都心は東京メトロと都営地下鉄のふたつの地下鉄が走っていますが、運賃をはじめとしたサービスは別々です。ふたつの事業者が共存する状況になったのには、地下鉄建設を巡る主導権争いがありました。

都営地下鉄を運営する東京都が、東京メトロ株のほぼ半分を保有
 一般的に「東京の地下鉄」というと、9路線を営業する東京メトロと、4路線を営業する都営地下鉄が挙げられるでしょう。両社局線を乗り継ぐ場合は、運賃が70円割引されるものの、実際は割高な乗り換えを避けて、遠回りになってもひとつの事業者で移動している人も多いでしょう。本来は13路線合わせてひとつのネットワークを構築するはずの地下鉄が、ふたつに分断されているのは非常にもったいない話です。

 東京地下鉄株式会社(東京メトロ)は2004(平成16)年に、国と東京都が出資する特殊法人「帝都高速度交通営団」(営団地下鉄)を民営化して誕生しました。東京メトロは株式会社ですが株式上場をしておらず、国と東京都が依然として株をほぼ半分ずつ保有しています。

 一方の都営地下鉄は、その名の通り東京都が経営する公営地下鉄で、路面電車やバスを運営する「東京都交通局」が運営しています。

 交通営団が設立されたのは1941(昭和16)年、東京都交通局の地下鉄建設参入が決まったのは1956(昭和31)年のこと。わずか15年の間にふたつの地下鉄が設立され、しかも東京都が交通局と交通営団の両方に出資するややこしい事態になった背景には、地下鉄を巡る主導権争いがありました。

営団と都営、「いずれ一元化」する話だったが…
 地下鉄銀座線の上野〜浅草間は、1927(昭和2)年に民営会社の手によって開業します。東京市(当時)は自らの手で地下鉄建設を進めたいと考えていましたが、資金不足により計画は進まず、その後も東京の地下鉄整備は民間主導により進められました。

 しかし長い不況の影響で、民営会社では巨額の建設費を調達できなくなり、地下鉄工事はなかなか思うように進まなくなりました。そこで公的な機関が資金を調達して、地下鉄建設を急ごうという議論が浮上します。

 東京市は今度こそ「市営地下鉄」の実現を訴えますが、地下鉄整備は政府主導で設立される「交通営団」が担うことになり、東京市には路面電車とバスの運営だけが委ねられます。営団は国と東京市、私鉄などの出資により1941(昭和16)年に設立されますが、同年に太平洋戦争が勃発し、工事は何も進まないまま敗戦を迎えました。

 戦後、復興を遂げた東京はますます拡大して、鉄道網は大混雑・大混乱に陥りました。営団は丸ノ内線の建設に着手しますが、利用者の増加に整備が追い付きません。やむを得ず、いずれ一元化するという約束で東京都の地下鉄建設が認められることになり、1960(昭和35)年に初の都営地下鉄(現在の浅草線)が開業します。

複数の組織が地下鉄建設を進めた都市、海外にも
 その後、1980年代の国鉄民営化、1990年代の営団民営化の議論において、幾度となく地下鉄一元化が提案されるも、莫大な借金を抱え、赤字に苦しむ都営地下鉄を営団が救済するのはおかしいと退けられてしまいます。そして建設費調達のために設立された営団地下鉄は、建設の終了に伴って民営化されることが決まり、早期に上場されることになりました。しかし東京都は、東京メトロ株をいまなお売却していません。東京メトロが上場してしまったら、企業価値を毀損する都営地下鉄との統合が将来にわたって不可能になるためです。

 都営地下鉄は2006(平成18)年、開業46年目にしてようやく黒字化を達成し、2016年には大江戸線も路線単体で黒字化するなど、収支が劇的に改善しつつあります。このペースで行けば、10年以内に累積欠損を解消できる見通しとなったことから、再び一元化に向けた議論が浮上する可能性も残されています。

 ところで営団と都営のように、複数の組織が地下鉄建設を進めた事例は他国にも存在します。パリ、北京、上海、ソウルなどには複数の地下鉄事業者が存在しますが、いずれも共通の運賃制度を採用しており、利用者は事業者の違いを意識せずにひとつのネットワークとして利用しています。「地下鉄一元化」とは運賃をはじめとしたサービスの共通化であり、必ずしもイコール経営統合を意味するものではないことに注意が必要です。

 東京もここ10年で東京メトロと都営地下鉄の「サービスの一体化」が進んでいますが、目指すべきは「地下鉄」の一体化だけではありません。今後は、JRや私鉄、バスやその他の新しい交通機関とも一体的なサービスの実現に向けた努力が求められる時代がやってくることでしょう。
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